第217号バックナンバー

8月号   2006 No.217
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深刻化する中国の環境問題







CONTENTS



<特集>深刻化する中国の環境問題
――GDP倍増計画の代償か


発展の影に破壊あり――GDP倍増計画が順調に進む中で立ちはだかる「環境保護」という大きな壁。黄砂、酸性雨、海洋汚染など、深刻な環境問題はいまや中国だけでなく日本をも蝕もうとしている。経済発展と環境保護のバランスに苦闘する中国に日本はどう対応していくのか

鼎談 一衣帯水の日中が共有すべき課題として
――中国の抱える問題と日本の協力の在り方とは

松本盛雄/清水美和/今井千郎
われわれは環境問題から逃れることはできない。循環型の真に持続可能な開発のモデルをいかにつくるか……。

なぜ環境危機を避けられなかったのか
――「環境保護システム」の再構築を

/李志東
中国は環境対策に早期から相当力を入れて取り組んできた。にもかかわらず環境問題が深刻化しているのはなぜか。その原因を探り、今後の可能性を考える

枯れる黄河
――被害甚大だった「断流」、その後も病は癒えず

/渡辺斉
下流に水のない「断流」は、病んだ黄河の象徴だった。その断流は、水管理の強化で解消された。しかし、黄河の健康を取り戻したと言えるのか

ルポルタージュ 白血病に侵される子供たち
――金銭が生む命の格差

/加藤隆則
かつてはドラマの話だった「薄幸の天使」が、身近な悲劇に――。毎年三、四万人の速度で増加中と見られる白血病患者。その半数が子供だという。容疑者は夢のマイホームとともにやってくる。ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン……その名は「室内汚染」

環境という名の新なた価値を日本に与えよ
――環境ビジネスのターゲットは中国・巨大市場

/青山周
「環境」も価値。いまや中国の一般市民もそう感じている。だれの目から見てもそれは中国の環境問題が悪化していることの裏返しである。だかこれは日本にとってのチャンスでもある。環境分野に優れた日本製品の新規市場開拓の、そして日本のイメージアップのチャンスなのである

中国環境問題への取り組みの現場から

巨大魚付林:アムール川・オホーツク海・知床を守るための日中ロの協力
/白岩孝行
地球環境問題の本質は、加害者と被害者を区別できないことにあり、安易な問題の解決が更なる問題を生み出す点にある。顕在化しつつあるアムール川とオホーツク海をつなぐシステムのほころびは、巨大魚付林という視点の中で解決策を見出せるか

信頼関係構築への道のり
――緑の地球ネットワークを通じた協力

/高見邦雄
日中緑化協力は現在順調に進んでいるが、当初は困難をきわめた。その打開策とはいったいなんだったのか

NGO交流
――環境共同体としての日中韓

/廣瀬稔也
日中韓は、東アジア全域にまたがる広域の共通の環境問題と、国内で抱える共通の環境問題という二種類の問題を共有する、まさに「環境共同体」だ

鉄鋼業における技術協力
/鈴木孝男
急速な経済発展に伴い、環境問題もまた中国を覆いつつある。日本の中国鉄鋼業保護技術向上プロジェクトの可能性とは

資料篇 データ・解説
中国の抱える環境問題
/チュウ・チョン・シイアン
一九七八年の「改革開放」政策の実施により、急速な経済成長を長期的に続けた結果、現在、中国は産業公害国の一つになっている。中国の経済成長率の高さと人口、面積の大きさを考えた場合、中国の公害は自国に対してだけでなく、地球全体の環境に対しても極めて深刻な影響を与える問題となっている。このような背景を踏まえて、現在中国が抱えている主要な環境問題を概観してみよう

中国の電力事情と環境
/中山元
急速な経済成長の中で、膨大なエネルギーが消費され、中国国内では様々な環境問題が起きている。中国には「四害」という言葉があり、大気汚染、森林破壊、産業廃棄物および都市騒音を指し、最も深刻なのは大気汚染で、その主な原因は、一次エネルギーの六〇%以上を占める石炭にある

グラビア 中国の自然と環境


<特集外>


アフガニスタンの内なる声を汲み上げるために
――平和構築の行方と日本の関与

/篠田英朗
安定度が高かったはずの、アフガニスタンの首都カブール。そこで米軍に対する大規模な暴徒事件が発生した。彼らは何に苛立っているのか。押し付けではない、真の平和構築とはどうあるべきか

在日米軍再編:より完全な同盟国を目指して
笹島雅彦
基地移転問題、日本の負担金値切り交渉…、これが在日米軍再編について持たれている一般のイメージである。しかし在日米軍再編の計画は日米同盟深化のための一プロセスである。その目標を前に立ちはだかる問題とその打開策とは

対談 太平洋を居有する隣人、島嶼地域を大切に
小林泉/佐藤正晴
カツオ、マグロなど漁業資源とはじめとする各種資源の大事な供給源、国連外交を進める上での重要なパートナー、歴史的に日本と深いつながりを有する親日的な地域、太平洋島嶼国地域。この日本にとって外交的に重要な地域の首脳が沖縄に集まり直接対話した。いかなる意味を持つ会合だったのか

「外交青書」一〇〇%活用法、伝授します。
/高橋誠一郎
二〇〇五年の国際情勢と日本の取り組みをまとめた「外交青書」。政府刊行物は「無味乾燥」とのイメージが付きまとうが、「外交青書」はちょっと違う。分野・地域をまたいで包括的に外交について記述した書物。読み方によって誰もが外交問題の専門家になれること請け合いだ

<連載>

外交のスタイルブック 第9回
文字で思いを伝えるということ
ゲスト・ドクター・マンフレッド・ラミー
/中島渉

悲観・楽観・世界観
/千野境子

巻頭随筆
正念場を迎えるニート対策
/玄田有史
相互理解の橋を架ける
/横掘り克己

談話室 第92回 
1100人規模の日中高校生交流に立ち会う
/石尾喜代子

新連載 洋書百遍、意自ずから通ず 第1回
The Cold War
by John Lewis Gaddis
/徳川家広
国際関係史からユーモア、ミステリーまで、日本の読者に知られずにいる数々の英文名著たち。翻訳の日の目を見ずに去っていく彼らを、情熱と愛情をこめて紹介する。初回は優美な筆致と魅力あふれる構成力で冷戦を過不足なく描いたギャディスの冷戦通史

連載 アメリカ・アフター・アワー 第10回
アメリカはいい国? それとも
/秦隆司
さまざまな問題を抱えながら進んで行こうとするアメリカと僕はこれからも共に歩んでいく


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