| CONTENTS
<特集>現実と政策理念の均衡 独自外交の限界 ――日・イラン関係
決して動かない事実がある。日本社会を支えるエネルギー源は、イランの安定があってこそ日本へと届くということだ。しかし核開発疑惑をめぐり、国際社会とアメリカの思惑は日本の対イラン外交を振り回す。現実を乗り切るための突破口を求め、イランとイランをめぐる国々の問題点を探る
ダメージコントロールに傾注すべき日本外交 /田中浩一郎 イランの核開発疑惑の出現により、日本の対イラン独自外交は制約を受けるようになった。イランとの友好関係を大事にしてきた日本は今後どのような対イラン外交を展開すべきか
アフマディネジャード政権理解に向けて /坂梨祥 発足して一年、すっかり強行保守派と語られるアフマディネジャード政権。しかし大統領がふりまくイメージは、現政権の一側面を表しているにすぎない。大統領の支持基盤とその形成の経緯に焦点をあて、アフマディネジャード政権のねらいを探る
米国の「イラン脅威」論と対イラン政策 /中西久枝 二〇〇一年の同時多発テロ以降、アメリカはイランをどのように捉え、政策を決定してきたのか。また日本は今後どのようにイランと付き合うべきか
浸透するイランの影響力 ――ヒズボッラー支援と核開発 /デイビッド・メナシュリ イランがわかると中東がわかる。イスラエル敵視政策にイランが現実の利益を見出しうるのはなぜか。浮き彫りにされるのは現在の中東における不安要素である
現代イランを縦横に理解するための好著 /貫井万里 イスラエルによるレバノン侵攻、イランのウラン濃縮停止を求める国連安保理決議を経て、イランを取り巻く国際情勢が緊張感を高めている。いかに紛争を回避するか。現代イランを知るために、歴史、石油、外交、社会、文化の視点から、七冊の書物を紹介する
イランの文化遺産保存に携わって /岡田保良 かつてイスラーム革命など国内の混乱により文化鎖国ともいうべき事態に陥っていたイランだが、現在は文化遺産保護に関しては優等生。一九九〇年代には文化復興の時代を向かえる。そんな中、遺跡の保存、修復事業に携わってきたキーパーソンが見たものとは
<特集外>レバノン危機を読む
必要のなかった戦争 /山内昌之 イランのアラブ政治への関与は、中東システムだけでなく国際秩序安定の基盤を変質させる可能性を持っている。レバノン危機をひきおこしたヒズボッラーの思惑、イスラエルの過信はいずれもがよそうもしない結果をもたらす「必要のない戦争」につながった。この逆説の構図から得る教訓とはなんであろうか
ヒズボッラーとは何か /末近浩太 中東地域最強を誇るイスラエル軍からの攻撃に対し底力を見せたヒズボッラー。今日の中東政治のダイナミズムを読み解き、今後を展望していくうえで見逃せない。その誕生と支持基盤、国際関係とは
<小特集>北朝鮮分析の四角
国際政治の力学から北朝鮮問題を捉え直す /秋田浩之 北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する安保理非難決議を日本は採択へと導くことができた。しかし、採択に至る道は決して平たんではなく、一部には誤算もあった。日本がそこから学ぶべきものとは
オーストラリアの北朝鮮政策 ――北朝鮮留学生との交流の経験をふまえて オーストラリアは北朝鮮をめぐる核開発や安全保障問題では、みずからが主要五カ国のような主役たりえないが重要なパートナーとしてそうした問題に取り組んでいる。彼らの政策は評価されるべきであるし、もっと多くの人々に知られるべきである
<特集外>
国連安保理スーダン・コンゴ視察団に参加して /北岡伸一 チャドでは一日に五回航空機で移動した。一五名の代表中、二人が体調を崩し、途中で帰国した。もう一人は旅行後に発病した。厳しい視察旅行を通じて見えた安保理と国連、PKO、アフリカが抱える問題、そして日本外交のあるべき姿とは
資源と紛争の国に、平和と繁栄は来るか ――コンゴ民主共和国で初の民主選挙 /饗場和彦 コンゴ民主共和国で、独立後、事実上初めてとなる民主選挙が行なわれた。周辺国を含む地域紛争となった一九九八年以降だけでも死者三三〇万人以上と言われる。問題山積の中で、果たして自由で公正な選挙は行なわれたのか。選挙監視員として赴いた著者が分析する
ヨーロッパ新興民主主義国家の若手リーダーたち ――欧州評議会主催「夏期民主主義大学」に参加して /岩間陽子 「夏期民主主義大学」に若者たちが集う。彼らはヨーロッパ新興民主主義国の「政治学学校」から来た。民主主義とは何か? その価値・利点・運営方法とは? 母国に新鮮な風を吹き込もうとする姿は、かつて欧米の価値を学ぶべく奔走した明治時代の日本の若者たちに似る
開発途上国に投資を誘致するための提案 ――「投資のための政策枠組み」をとりまとめて /日賀田周一郎 民間投資を呼び込むポイントは「よい環境」の整備に尽きる。そのためには何が必要か
杉本信行著『大地の咆哮』を読む /樋泉克夫 大難問を抱え込んでしまった現代の中国社会や複雑さゆえに出口の見えそうにない日中関係の現実を、改めて総体的に俯瞰することが出来る
<連載>
外交のスタイルブック 第11回 誠実に風景と向き合う ゲスト・マイケル・ケンチ /中島渉
悲観・楽観・世界観 /千野境子
巻頭随筆 チェコの風 /朴木浩美 イランのダブル・イメージ /鈴木均
連載 変わる中南米の政治地図・下 「ポスト冷戦」後のベネズエラ /冨田与 アメリカ不支持。イラン、北朝鮮支持。――高騰する原油価格に後押しされ、「ポスト冷戦」後の多極構造の一角を占めようともくろむベネズエラ。アメリカを挑発するチャベス大統領は、今度はどこへ向っていくのか
連載 アメリカ・アフター・アワー 最終回 いい奴らは、びりで終わる /秦隆司 言葉には、自分の生き方を支えてくれる力がある
洋書百遍、意自ずから通ず 第3回 The Company -a novel of the CIA by Robert Liittell /徳川家広 実在するスパイ機関とエージェント、そして架空の人物たちが織り成す、小説を越えた大河ドラマ。大ベストセラーを記録したのも納得、その奇想天外なストーリーに読者はぐいぐいと引き込まれていく……
書評フォーラム 選評・細谷雄一 『ウィルソン外交と日本』 『マサチューセッツ通り2520番地』 『アメリカ外交と21世紀の世界』
INFORMATION
|