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<第一特集>
「自由と繁栄の弧」をつくる――日本外交の新機軸
2006年11月30日、麻生太郎外務大臣は「自由と繁栄の弧をつくる」と題する講演で日本外交の新戦略を描いた。日本外交の柱である「日米同盟の強化」「近隣諸国との関係強化」に加えて、民主主義、自由、人権、法の支配、市場経済という普遍的価値を重視して進める「価値の外交」を提唱。ユーラシア大陸の外周に勃興してきた振興の民主主義国家と連帯し、「自由と繁栄の弧」形成に向けて積極的な外交を展開していく、という(鈴木美勝論文)。新たな外交理念は今後国民の理解・支持を得て具体的に実現させていく。日本外交の新戦略をどう読み解き、どう感じたか。さまざまな意見をきいた
対談 「美しい国」の「主張する外交」がめざすもの ――市民権回復外交の時代は終わった /坂元一哉/兼原信克 いまや戦前を否定して市民権を得るための外交は終わった。新しい肯定形の日本、日本の価値観を定義する時代にきている
新戦略宣言「自由と繁栄の弧」考 ――主張する外交・日本の決意表明 /鈴木美勝 敗戦から復興した経済大国が、21世紀世界に貢献する大国にならんと壮大な戦略ビジョンを提唱した
外相スピーチをこう読む /伊奈久喜 2月24日、外務省主催シンポジウム「自由と繁栄の弧をめざして」に参加して
インタビュー 外交史における価値観 ――「世界一強い国との関係が大事です」 /岡崎久彦 価値観でくくった外交は、パワーポリティクスとまったく矛盾しません
深まる信頼と価値の共有 ――カンボジア、ラオス、ベトナムとの対話 /水越英明 長きにわたり戦乱に揺れたCLV諸国。その3国に日本が行なってきた協力は必ず「自由と繁栄の弧」を形成する一助となるはずだ
同じ価値観をもつ者として ――ウクライナ支援をめぐる日・ポーランド協力 /ジェルジ・ポミャノフスキ 2004年の「オレンジ革命」によって民主主義国家として歩むべきことを明らかにしたウクライナに対し、日本がさまざまなサポートをしていることはあまり知られていない。同国への援助プロジェクトをともに実施したポーランド人の目に日本の支援はどのように映ったのか
資料篇 麻生太郎外務大臣演説 「自由と繁栄の弧」をつくる ――拡がる日本外交の地平
<第二特集>
アフリカ問題と向き合う
アフリカ。それは一つの「個性」(エンクルマ)を意味する。かつて、植民地主義と独裁にゆがめられた大地は、HIV/AIDSや貧困などさまざまな問題を抱えながらも無視しがたい勢力として国際社会の中に浮かび上がりつつある。アフリカの果てしない闇に光を照射させるため日本に何が求められているのか
アフリカの主体性と国際社会 /小田英郎 アフリカの連帯を強化し、「アフリカの個性」を国際社会に投影させようという独立の時代以来の希求は、確実に持続されている
インタビュー アフリカ問題にどう取り組むか ――TICAD?に向けて /堀内伸介 アフリカの救世主は先進国でも日本でもない。それは紛れもないアフリカ人自身なのである
インタビュー いま私たちが知るべきこと ――アフリカ問題に取り組んで /アグネス・チャン アフリカで深刻化している問題とは、HIV/AIDSと、絶え間ない紛争。これらの問題は子どもたちにも影を落としている。現地を訪れた、アグネス・チャン・ユニセフ協会大使に子どもたちとの交流から見えてきたものとはなんだったのか
新たなマーケットとしてのアフリカ /服部 治
資料篇 TICADとは
グラビア Facing Africa
<カントリー・イン・フォーカス>
モンゴル
近くなった国、モンゴル ――民主化と経済発展のすすむモンゴルでいま何が起きているか /清水武則 1990年代の民主化運動で社会主義体制からの脱却を果たしたモンゴルに対し、日本は援助のイニシアティブをとってきた。モンゴルが中・韓・ロシアとの経済連携を深めるなか、日・モンゴルの友好関係をさらに発展させるために打つべき手とは
衛星中継、ブフ、ジャパン・ドリーム ――角界で活躍するモンゴル人力士たち /ワンダン・ダワー 34人。それは現在、横綱朝青龍を筆頭に、角界に在籍するモンゴル人力士の数。彼らの活躍は、社会の変革期にあったモンゴルの人々に希望を与えてきた。モンゴル人力士たちは、どのような気持ちで大相撲の土俵を目指すのだろうか
グラビア 魅せられて、モンゴル
<特集外>
日本外交に内在する価値とは何か ――国際社会の「良識ある常識人」であれ /宮城大蔵 「価値の外交」を掲げて一歩を踏み出すのであれば、究極の理想に向けた志は持ちつつも、そこに至る道程の困難と複雑さを十分に理解した丁寧なアプローチこそが必要とされるであろう
NATO変革の現段階 ――新たな役割と新たなパートナーシップ /鶴岡路人 NATOは時代の要請に柔軟に対応していく中で、自らを形作っている。その過程では日本などの「コンタクト諸国」の側のイニシアティブによって可能なことも少なくない
<連載>
悲観・楽観・世界観 /千野境子
巻頭随筆 モンゴロイドは馬頭琴の夢を見る、か? /嵯峨治彦 アフリカ開発の新たな担い手 /大林 稔
映画から見る世界のいま 第5回 「バベル」の作品力に学ぶ /朴木浩美 監督の独特の描き方と脚本力に支えられる「バベル」。ここから日本は何を学ぶか
洋書百遍、意自ずから通ず 第9回 Imperial Life in the Emerald City by Rajiv Chandrasekaran /徳川家広 泥沼化するイラクを舞台に、どのような占領作戦が繰り広げられているのか
書評フォーラム 選評・細谷雄一 『パクス・ブリタニカのイギリス外交』 『独仏関係と戦後ヨーロッパ国際秩序』 『冷戦変容とイギリス外交』
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発売日 3月8日 定 価 780円(税込) 編集・発行・発売/都市出版(株)
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