| CONTENTS
<特集>
歴史家と外交家
私たちはどこから来て、どこへ向かおうとしているのか。二一世紀を迎えて八年。世界はいまだ新しい秩序を模索している。このようなときだからこそ、人類が歩んできた足跡を振り返りたい。外交とは平和と繁栄の構築である。しかしその営みは、時に大きな挫折を伴う。時代の制約のなかで外交家たちはいかに闘ってきたのか。その苦闘の連続に、歴史家たちはどのような教訓を見出すのか。未来のための、過去との対話が、いま始まる
外交家と歴史家―薩英戦争から第二次世界大戦まで― /山内昌之 混乱と躍動の時代を観察者としても行為者としても見ることができ、外交家と歴史家という二つの天職を経験したE・H・カー、重野安繹、久米邦武、成島柳北の四人。この四人には、その生き方や感慨に底流する本質的な共通点がみられる。そして、なお歴史的に「面白い時代」に生きているはずであるわれわれに語りかけることとは…
歴史家はいかにして外交家になるか ――キッシンジャー /中本義彦 外交家になった歴史家であるキッシンジャーの存在がわれわれに教えてくれているのは、両者を結びつける実践的思惟の必要性なのではないか
「歴史の効用」について ――昭和の外交官をめぐる雑感 /酒井哲哉 人は相反する願望を持つ存在である。歴史を学ぶことの意味は、このような生の両義性に触れることである
座談会 「ポスト冷戦世代」の歴史感覚 ――外務省ってやっぱり歴史を扱っているところ /岩本桂一/松川るい/石井順也/石川真由美 外務省で最も多忙な年齢層の4人に集まってもらった。社会的事件として最初に記憶するが「ベルリンの壁崩壊」という世代。冷戦の雰囲気やベトナム戦当時の緊迫感は知らない。歴史の連続そのものを扱う外交という課題に、新しい歴史認識をもつ世代はどうもがきつつ、取り組んでいるのか
「外交」を知るための読書案内 付・さらに読み進むための書籍リスト ――気鋭の研究者が描く、良質で包括的な外交論 /村田晃嗣
<小特集>TICAD4に向けて
かつてアフリカを訪問した森喜朗元首相は「アフリカ問題の解決なくして二一世紀の世界の安定と繁栄はなし」と語った。冷戦終結後一時は「見捨てられた」アフリカが再度国際社会の注目を集めている。各国はアフリカが抱える諸問題に対して、いかなる戦略をもっているのか。また、「見捨てられた」時代にも積極的に関与し続けてきた日本は今年で四回目のアフリカ開発会議を開催する。日本と世界が注目するアフリカの現在とは
2008年、日本は世界の流れを主導できるのか /井伏純一
<資料篇> ひとめでわかるアフリカの現状
<カントリー・イン・フォーカス>
ホンジュラス共和国
遠い国の信頼を得るとはどういうことなのか /三輪 昭 「ビバ・ハポン(日本万歳)!」遥か太平洋の向こう側、ホンジュラスで日本大使離任の際に起った大歓声。なぜ日本人には馴染みの薄いホンジュラスが親日なのか。厚い信頼関係を築くまでには、地道な努力や善意の積み重ねがあった
海を越えた診療 ――国際緊急援助隊・自衛隊部隊に参加して /橋爪浩臣 1998年にホンジュラスを襲ったハリケーンは、甚大な被害をもたらした。遠く離れた国に対し、日本はどのような援助ができるのか。初の国際緊急援助隊・自衛隊部隊派遣として注目を集める中で、現地に派遣された隊員が見たものとは
「米百俵」のメッセージ ――国家ビジョンの確立に向けて /リカルド・マドゥーロ・ジョエスト 「今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかり知れないものがある。いや米俵などでは、見つもれない尊いものになるのだ」(山本有三『米百俵』より)−この精神に共鳴したホンジュラスは、長期的なビジョンを持ち、自助努力を続けている
資料篇 はやわかりホンジュラス
<特集外>
大統領選後のロシアの新体制 ――メドヴェプーチンスキー・タンデム /上野俊彦 今年三月に行なわれるロシア大統領選は、同国の影響力の拡大もあいまって、世界の注目を集めている。最有力候補のメドヴェージェフはどんな人物か、そして気になるプーチン大統領との関係は
「人間の安全保障」普及に向け、概念の明確化を /吉田鈴香 言葉のみがひとり歩きして、現場が戸惑う場合がままある。目的と目標の設定があって、コンセプトが生まれる。その下に、方法・手段が考案され、便益の最大化が図られるのだ。
国家の逆襲、市場の敗北 ――中国 /村山 宏 中国は本当に「官から民の時代」に入り、民主化に向かうのか。民営化路線の結果として、市場経済の恩恵を受けたのは、逆に、国家だったという皮肉。国家と市場、最後に勝つのはどっちか
「和をもって貴しとなす」日中関係を /坂中英徳 マスコミに報道されない在日中国人は、勤勉でよく学び、よく働く人々である―。人口が急減する日本が、すぐれた外国人を受け入れるためには、まず、日本人の側から外国人に対するイメージを変えなければならない。
<連載>
悲観・楽観・世界観 /千野境子
巻頭随筆 インドネシア・イスラム寄宿塾を訪問して /河野毅 IPCCのノーベル平和賞受賞 /村瀬信也
日本の読み方・読まれ方 第6回 Doing Fieldwork in Japan edited by Theodore C.Bestor, Patricia G.Steinhoff and Victoria Lyon Bestor /徳川家広 日本の存在感の薄さに懸念を抱く声も聞こえるが、心配はいらない。「脅威論」時代の表層的なイメージを越え、さまざまな側面を丹念に研究する日本研究者により海外での日本理解は着実に深まっている。彼らが、研究(フィールドワーク)を通して見ている日本/日本人の姿とは…
書評フォーラム 選評・ 川島真 『現代中国の外交』 『オランダ風説書と近世日本』 『在日朝鮮人のメディア空間 GHQ占領期における新聞発行とそのダイナミズム』
INFORMATION&読者投稿
|