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<特集> アメリカ大統領選挙を読み解く
政治は血を流さない戦争である。アメリカ大統領職をめぐる権力闘争は、さしずめ最大の「血を流さない戦争」だろう。その激しいキャンペーンそのものが、現在のアメリカ社会を映す鏡であり、未来のアメリカ社会へのメッセージとなっている。アメリカはどのように統合に向かっていくのか。世界の問題にどう関わろうとしているのか。選挙戦で繰り広げられる政策と個性のぶつかり合いの中から、アメリカと世界の将来を読み解く
2008年大統領選挙の歴史的位相 /古矢 旬 政治不信の深まりのなかで行なわれる二〇〇八年の米大統領選挙。共和党は分裂した保守勢力をいかに糾合するかに苦心し、民主党は「変化」を訴える。選挙戦のなかで浮かび上がった争点や対立の構図の意味を、歴史的文脈を織り込みながら明らかにする
座談会 オバマはアメリカを変えられるのか /久保文明/中山俊宏/松尾文夫/山野内勘二 国内はもちろん世界中に大きな影響を与える米国大統領選挙。その行方はいまだ混沌としているが、今年一月のアイオワ党員集会以降、見えてきたものも少なくない。イラク戦争の今後、なぜオバマは強いのか、新政権の外交戦略。いまアメリカ政治で何が起こっているのか、鋭く切り込む
アジア政策の語られ方 /伊藤 剛 各大統領候補の対アジア政策や、日本が「同盟国」としてどの程度重要視されるのかといった鳥瞰図は、いまだおぼろげである。しかし、候補者の主張に一貫しているのは、中国の存在に一目置いているということである
マイノリティの選択 /大津留(北川)智恵子 女性とアフリカ系という民主党の二候補のアイデンティティに象徴されるように、マイノリティの問題にこれほど焦点が当てられる選挙は珍しい。アメリカ社会の分裂と統合の重要な指標であり続けるマイノリティ問題は、どのように語られているのか
米大統領選・中間報告―16年周期説の深層 /鈴木美勝 アメリカでは「16年」周期で彗星のごとく新リーダーが誕生するという。大きな時代のうねりを背景に、同国の多様性を象徴する顔ぶれとなった大統領予備選挙の注目候補たち。その三者三様の戦いぶりを追う
資料篇 一目でわかる アメリカ大統領が生まれるまで
<第二特集> 日本のアジア外交
日本にとって、アジアとは何か。一九世紀までは仰ぎ見る師であった。二〇世紀前半は克服すべき停滞のシンボルだった。二〇世紀後半は巨大な市場であった。そして二一世紀。日本はアジアと肩を組んで歩み始めようとしている。政治、経済、文化を包括するような大きな秩序づくりのパートナーとして、日本はアジアとどのように関わっていけばよいのか。多様で多義的なアジアのいまの姿から、日本のアジア外交のあり方を考える
日本のアジア外交を考えるために /白石隆 近年、大きく変容しつつある東アジア。新たな時代の日本のアジア外交はどう構想されるべきか。 対中外交のあり方とは 対談 アジア・アイデンティティの模索が始まった ――文化からみた東アジア共同体の可能性 /青木保/進藤榮一 とかく政治経済の分野で語られがちな東アジア共同体だが、その根底にある文化の問題をないがしろにしてはならない。アジアに共通の文化的基盤はあるのか。アジアのアイデンティティの確立には、何が必要なのか
指導者交代期のアジアにおける日本外交 /ギルバート・ロズマン 北東アジアの地域協力の可能性が改善されつつあった2007年だが、08年には、政権交代に伴うさらなる変化があると考えられる。安全保障枠組みの樹立を目指すアジア。その中で日本外交にどのような選択肢がありうるのか
ASEAN統合からみえる東アジア共同体の姿 /石川幸子 話し合いの時期を経て、来る五年間は統合への具体的行動の期間になるだろう。新事務総長に外相経験者スリン氏を迎えた新生ASEANは、統合とその先にある「東アジア共同体」実現に向けてどう動いていくのか
メコンの豊かな恵み /原洋之助 近年インドシナ地域の政治的安定化が進み、メコン川流域の開発に改めて国際社会の期待が寄せられている。一方で、メコン川はその豊かな水量によって多様な自然と文化、歴史を育んできた。メコン開発の歴史とともに今後の持続的発展の可能性を探る
「防衛政策」としての六者会合 ――核軍備管理で探る北東アジアの近未来 /吉田文彦 なかなか前進のみられない六者会合。しかしこれを核軍備の文脈から見直したとき、そこにはこれからの北東アジアの戦略的安定をつくり出す、いくつかの可能性が秘められている。北東アジアの非核化をめざす構想とは
「福田アジア外交」を考える /谷野作太郎 とにかく感情的な議論が横行しがちだった時期を経て、日本のアジア外交は落ち着きを取り戻したかにみえる。しかしさらなる発展のためには、まだまだ双方向の努力が必要だ。福田政権が担う対中・対韓関係の諸課題を、アジア外交のエキスパート、谷野氏が語る
<カントリー・イン・フォーカス> スロベニア共和国
ユーゴスラビアからEUへ ――スロベニアの歴史 /柴宜弘 自らの国を初めてもったのは1991年だが、その歴史は長く複雑だ。諸州に散在して支配を受けながらも、言語に基づき独自性を保ってきた。だが、その言語は多くの方言から成っていて、統一性に欠ける。多様な小国は「すべての人々に開かれた」社会を築くことができるのか
スロベニアから見た日本、日本から見たスロベニア /アンドレイ・ベケシュ 大学で日本研究に携わる筆者。両国の留学生の研究テーマを通して、互いの国がどう映っているかを論じる
私のスキー留学青春記 /原田彦 スキー修行のために、一五歳でスロベニアの地を踏んだ私。国境近くの小さな街で過ごした五年間は、文化の多様性、人と自然との一体性を感じた幸せな時間だった
世界の中央舞台にデビューしたスロベニア /飯山常成 ユーゴスラビアから独立して16年。経済的にも短期間で急成長を遂げ、EU加盟・ユーロ圏入りをいち早く果たし、現在ではEU議長国を務めるに至った。そのサクセス・ストーリーとは
<特集外> 欧州を静かに揺るがすコソボ独立の余波 /月村太郎 内戦後の復興につまずくコソボは、「独立」にその将来を託した。この選択は、それぞれに民族問題を抱える近隣諸国にどのような影響を与えるのか。主権国家の内実の変容と合わせて検証する
資料篇 コソボ独立を理解するために
<連載> 悲観・楽観・世界観 /千野境子
巻頭随筆 /中安昭人/瀬尾秀彰
新連載 第一回 アメリカ合衆国大統領を読む 戦後世界の基本形を決定した男――ハリー・S・トルーマン /徳川家広
書評フォーラム 選評・細谷雄一 『アジアのなかの日本』 『現代日本の東南アジア政策』 『歴代の駐日英国大使 1859-1972』
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